
じゃがいもの芽は、飛び出した部分だけでなく、付け根とその周囲まで取り除きます。緑色の部分も、皮だけを薄くむいて終わりにせず、内側を含めて取り除くのが基本です。
ただし、緑化が著しいもの、切っても中心まで緑色のもの、取り除けたか判断できないものは、無理に食べないでください。ゆでたり、電子レンジで加熱したりしても、天然毒素を十分に減らせるとは限りません。
台所で迷わないよう、状態ごとの対応と下処理を整理しました。大切なのは「芽を取ったから大丈夫」と決めつけず、芋全体を見ることです。
目次
芽・緑色の皮を見つけたら?状態別の確認表
この表は家庭での対応を整理したものです。見た目だけで毒素の量や安全性を判定できる表ではありません。
| 見つけた状態 | 家庭での対応 |
|---|---|
| 芽が出ている | 芽の付け根と周囲の内側まで、多めに取り除く。緑化なども確認する |
| 皮の一部が緑色 | 皮の内側と周囲も含め、緑色の部分をすべて取り除く |
| 緑化が広い・深い/中心も緑色 | 食べない。取り除く範囲を判断できない場合も無理に使わない |
| 家庭菜園などで採れた、未熟と思われる芋 | 食べない。小さい品種や、成熟した小粒の芋とは区別する |
| 食べて苦み・えぐみを感じた | 食べるのをやめる。一緒に調理した具材や煮汁も食べない |
緑色は葉緑素の色で、毒素そのものの色ではありません。光が当たると緑化と毒素の増加が起こりやすくなりますが、色の濃さから毒素の量を読み取ることはできないんです。
出典:農林水産省「じゃがいもの天然毒素に関するQ&A」(緑化・未熟な芋・苦みについて)
じゃがいもの芽はどこまで取る?付け根と周囲も除く
芽を指で折っただけでは、付け根が残ってしまいます。農林水産省は、皮より内側の部分も含めて、多めに取り除くよう案内しています。
- 調理する前に洗い、全体を見る。芽の場所だけでなく、皮の緑化も確認します。
- 芽の付け根を、周囲の部分ごと取り除く。表面に出た芽だけを落として終わりにしないでください。
- 皮をむき、緑色があれば内側と周囲も含めて除く。緑色の部分を残さないようにします。
- 切った面も確認する。中心まで緑色だったり、緑化が著しく取り切れるか迷ったりする場合は、使うのをやめます。
「何mm掘れば必ず安全」という共通の深さは、今回参照した公的な家庭向けの案内では示されていません。芽の大きさや緑化の範囲を無視して、同じ深さだけ削ればよいとは考えないでください。
取り除き方の実物写真は、農林水産省「じゃがいもによる食中毒を予防するために」で確認できます。本記事のアイキャッチはイメージイラストで、安全性を見分けるための実物写真ではありません。
加熱すれば大丈夫?ゆでる・レンジでも頼り切らない
じゃがいもには、ソラニンやチャコニンという天然毒素が含まれています。特に芽やその付け根、皮の周辺などに多く、たくさん摂ると食中毒の原因になります。
加熱は、芽や緑色の部分を取り除く代わりにはなりません。いつもの煮物や電子レンジ調理で、毒素を十分に減らせるとは考えないでください。
- 長くゆでる:ゆでれば毒素がなくなる、とはいえません。
- 水にさらす:家庭で水にさらすだけで、安全にできるとは確認されていません。
- 味見で確かめる:安全確認のために食べてみるのは避けましょう。苦くなければ安全、という判断もできません。
普段の料理は、使う芋を選ぶ → 芽や緑色の部分を除く → 調理するという順番で考えましょう。加熱で後から何とかしようとしないことが大切です。
出典:農林水産省「ソラニンやチャコニンによる食中毒を防ぐには」、同省「天然毒素に関するQ&A」(加熱・水さらし)
小さい芋は全部だめ?「小粒」と「未熟」は別です
家庭菜園や学校で収穫した未熟なじゃがいもには、毒素が多い場合があります。同じ品種のほかの芋より明らかに小さく、未熟と思われるものは食べないでください。
一方で、もともと小さい品種や、成熟していても小粒の芋はあります。スーパーの小粒の商品を、サイズだけで「未熟だから危険」と決めつける必要はありません。
反対に、大きければ安全とも限りません。大きさ・芽・色のどれか一つで判断せず、育ち方や保存状態も含めて考えたいですね。
芽や緑化を防ぐ保存のコツ
買ってきた透明な袋のまま、明るい台所に置きっぱなしにしていませんか。保存では、光を避けることも忘れずに!
- 必要な量を買う:すでに芽が出たものや緑色のものは避け、長く置きすぎない量を選びます。
- 丸ごとは、暗く涼しく風通しのよい場所へ:紙袋や段ボールなどで光を遮り、通気性も確保します。
- 洗うのは使う前に:保存中は傷をつけないように扱います。
- 切った後は冷蔵へ:ラップや袋などに入れ、早めに使い切りましょう。
夏場など、室内に涼しい場所がないときは冷蔵庫の野菜室を使う方法もあります。ただし、長く低温で保存すると糖が増え、高温で揚げる・焼く調理ではアクリルアミドという物質が増えやすくなります。長く冷蔵した芋は、ゆでる・蒸す調理を選ぶのが農林水産省の案内です。これは芽や緑化の下処理とは別の注意点です。
保存場所に迷ったら、「冷暗所」とはどんな場所かも確認してみてくださいね。暗い場所でも長く置けば芽は出るので、ときどき状態を見て使いましょう。
出典:農林水産省「ソラニンやチャコニンによる食中毒を防ぐには」、同省「天然毒素に関するQ&A」(保存)
食べた後に吐き気や腹痛が出たら
じゃがいもを食べた後に、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などが出た場合は、食べるのをやめ、医療機関に相談・受診してください。自己判断で「加熱したから食中毒ではない」と決めつけないことが大切です。
何をいつ食べたか、症状がいつ始まったか、一緒に食べた人の様子を伝えると、相談しやすくなります。急な呼吸困難や、意識がない・もうろうとしている場合は、ためらわず119番へ。
食べている途中で苦みやえぐみを感じたときも、その料理は食べ進めないでください。毒素が煮汁やほかの具材へ移っている可能性があるため、芋だけ取り出して食べ続けるのも避けます。
出典:食品安全委員会「ジャガイモによる食中毒について知ろう!その2」、農林水産省「天然毒素に関するQ&A」、消防庁「救急車利用マニュアル」
迷ったときは「もったいない」より、無理に食べない判断を。買いすぎず、光を避けて保存し、調理前に全体を確認するところから始めましょう。
食材の下処理や調理の基本は、料理の基本・レシピにまとめています。
公的資料の確認日:2026年10月20日。本記事は家庭での予防と対応の目安をまとめたもので、個々のじゃがいもの安全性を保証したり、体調不良の原因を診断したりするものではありません。
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