
箸のマナーは種類が多くて、全部覚えようとすると大変ですよね。でも、まずは3つで十分! 人を指さない、器を引き寄せない、大皿料理には取り箸を使う。この基本から始めましょう。
取り箸が見当たらなければ、お店の人や主催者にひと言お願いすれば大丈夫です。「逆さ箸なら清潔」とは限りません。持ち手も手で触れているからです。
この記事では、ついやってしまいがちな箸づかいと、代わりにどうすればよいかを紹介します。作法は家庭やお店、地域などでも違うもの。相手を注意するためではなく、気持ちよく食べるために役立ててください。
目次
やりがちな箸のNG例は?代わりにどう動けばよい?
やってはいけないとされる箸づかいは「嫌い箸」と呼ばれます。でも、名前を丸暗記する必要はありません。箸は食べ物を扱う道具として使い、迷ったらいったん置くと考えるだけでも、ぐっと実践しやすくなりますよ。
| 避けたい動作 | 理由・配慮したい点 | 代わりの動作 |
|---|---|---|
| 指し箸:箸で人や物を指す | 箸先を人に向ける動作は不作法とされる | 箸を置いてから言葉で伝える |
| 寄せ箸:箸で器を引き寄せる | 器を動かすための箸づかいは避けたい | 箸を置き、手で器を動かす。遠ければ頼む |
| 迷い箸:料理の上で箸を行き来させる | 料理の上で迷う動作は不作法とされる | 食べたいものを決めてから箸を伸ばす |
| 移り箸:取りかけた料理から別の料理へ移る | いったん取りかけてやめる動作を避ける配慮 | 取るものを決め、取りかけた料理は自分の皿へ |
| 刺し箸:食べ物に箸を突き刺す | 一般的な和食では嫌い箸とされる | つまめる大きさに分ける。難しければ別の道具を頼む |
| ねぶり箸:箸についたものをなめる | 箸をなめる動作は避けたい | なめて落とそうとせず、必要なら新しい箸を頼む |
| 立て箸:ご飯に箸を立てる | 日本では葬送の作法を連想させるため避けられる | 箸置きを使う |
| 箸渡し:箸から箸へ食べ物を渡す | 遺骨を拾う動作を連想させるため避けられる | 取り分け用の道具で相手の取り皿へ置く |
表の代わりの動作は、迷ったときの実践例です。農林水産省は指し箸・寄せ箸・迷い箸・移り箸などを紹介し、鹿屋市の資料では立て箸・箸渡しの背景も説明しています。
出典:農林水産省「箸の正しい使い方(作法)」、鹿屋市「食事マナー」(2025年1月・PDF)
箸を器の上に置くのもNG?
食事の途中で箸を器の上に渡して置くのは「渡し箸」。農林水産省も避けたい使い方として紹介しています。箸置きがあるときは箸置きを使いましょう。箸置きがない場合は、置く場所を店員や主催者に確認すると迷わずに済みます。
ややこしいのが「渡し箸」と「箸渡し」。名前はそっくりですが、動作は別なんです。
- 渡し箸:器の上に箸を渡して置く。
- 箸渡し:箸から箸へ食べ物を渡す。
呼び名が資料によって違うこともあるので、動作で覚えるとわかりやすいですよ。
取り箸がないときはどうする?
取り箸がないときは、「取り分け用のお箸をいただけますか?」と聞いてみましょう。これが一番わかりやすい方法です!大皿の料理は、自分の箸と取り分け用の道具を分けると安心です。

- 店員・主催者に確認する。「こちらはどう取り分ければよいですか」と聞くだけでも構いません。
- 取り分け用の道具を用意する。取り箸が難しければ、清潔なスプーンやトングを使えるか確認します。
- 自分の箸と使い分ける。共用の道具で自分の取り皿へ移し、その後は自分の箸で食べます。
最初から小分けの料理や、スタッフが取り分けてくれるお店なら、その流れに合わせれば大丈夫です。道具が届くまで急ぐ必要はありません。
逆さ箸なら取り箸の代わりになる?
逆さにしたからといって、清潔とは限りません。鹿屋市の資料は、持ち手が手で触れる部分であることを理由に、逆さ箸での取り分けを避け、取り箸を使うよう案内しています。
家では逆さ箸が習慣になっていることもありますよね。ただ、会食なら取り箸をお願いする方が安心です。まだ口をつけていない箸でも、勝手に共用にせず確認しましょう。
会食と家庭では取り箸の考え方が違う?
作法は場面によって違います。それでも、相手の料理に自分の箸をどう触れさせるかを、一人で決めないことは共通の目安になります。
| 場面 | 無難な対応 |
|---|---|
| 店・仕事の会食・初めての相手との食事 | 取り箸や取り皿を頼み、店や主催者の案内に合わせる |
| 友人同士の食事 | 「取り箸を使おうか」と先に相談する。苦手な人がいれば配慮する |
| 家庭の食卓 | 家族の習慣を話し合い、共用料理に取り分け用の道具を用意する |
| 来客のある家庭の食事 | 普段の家族ルールを当然とせず、取り箸・取り皿を出しておく |
この表は、正しさを競うためではなく、食卓で気まずくならないための目安です。家庭も会食も、全員が同じ習慣とは限りません。相手のマナーを試したり、人前で注意したりするより、まずひと言相談しましょう。
迷ったときに失礼になりにくい振る舞いは?
- 話すときは箸を置く。箸を持ったまま指したり振り回したりしにくくなります。
- 大皿から直接口へ運ばず、取り皿へ移す。日本政府観光局も共用の大皿から直接食べないよう案内しています。
- 遠い器や必要な道具は頼む。箸で引き寄せるより「取っていただけますか」と伝えます。
- つかみにくいものを無理に扱わない。子どもや箸が使いにくい人も、必要ならスプーンやフォークなどを使い、安全に食べやすくすることを優先します。
出典:日本政府観光局(JNTO)「Japanese Food Etiquette Guide」
食材ごとの食べにくさは、作法だけでは解決できません。焼き魚なら焼き魚の骨の外し方、かたいホルモンならホルモンが噛み切れない・飲み込めないときの注意点を参考にしてください。
箸のマナーは、同席者が気持ちよく食べるための目安
いろいろあって迷ったときは、最初の3つを思い出してください!
- 人を指さない。
- 箸で器を動かさない。
- 大皿は取り分け用の道具を使う。
取り箸がないときは、無理に逆さ箸を使わずひと言お願いすれば大丈夫。
食材別の食べ方や食事マナーは、食べ方・食事マナーのまとめから探せます。
出典確認日:2026年10月1日。この記事は日本の一般的な食事場面を想定した案内です。店・地域・宗教上の習慣によって異なる場合は、その場の案内を確認してください。
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