
「最近、スーパーのお米が高くない?」「なんかお米が足りないってニュースで見たけど、どういうこと?」
こんなふうに感じている中学生のみんな、そしてその保護者の皆さん、こんにちは!
毎日食べるお米の値段が上がったり、お店に並んでいる種類が少なくなったりしていると、なんだか不安になりますよね。
今回は、今ニュースで話題になっている「備蓄米(びちくまい)」と、お米の値段が上がっている理由について、難しい言葉を使わずに、とーってもわかりやすく解説していきます!
「結局、何が起きているの?」という疑問をスッキリ解決して、安心して食卓を囲めるようになりましょう!
目次
1. 「備蓄米」って何だろう?災害用のお米じゃないの?
まず、一番大切な「備蓄米」という言葉から説明するね。
「備蓄米」というのは、国が私たち国民のために、いざという時のために大切にしまってあるお米のことだよ。
「いざという時」ってどんな時だろう? 例えば、大きな地震や台風が来て、お店がお休みになったり、食べ物が届かなくなったりした時、私たちはご飯が食べられなくなってしまうよね。そんな緊急事態の時に、「みんながご飯を食べられるように!」と、国があらかじめ用意してくれているのが備蓄米なんだ。
だから、普段は私たちが見ることはないけれど、日本全国の大きな倉庫(そうこ)に、たくさんの備蓄米が大切にしまってあるんだよ。
「じゃあ、なんでその備蓄米が今、問題になっているの?」と思うよね。 それは、本来の目的とは少し違う形で、この備蓄米が注目されているからなんだ。
2. あれ?なんでお米の値段が上がってるの?3つの大きな理由
「備蓄米」の話に入る前に、そもそも「なんで最近、お米の値段が上がったり、手に入りにくくなったりしているの?」という疑問を解決しよう! これには、大きく分けて3つの理由が重なっているんだ。
理由1:去年の夏が「暑すぎた」!お米がやけどしちゃった?
覚えているかな?去年(2024年)の夏は、本当に暑かったよね! 連日、35度を超える猛暑日が続いて、夜もなかなか気温が下がらない…そんな日が多かったよね。
実は、この猛暑(もうしょ)がお米に大きな影響を与えたんだ。
お米の赤ちゃんは、穂(ほ)が出てから実が大きく育つまで、ある程度の気温が必要なんだ。でも、暑すぎると、お米の赤ちゃんは「やけど」みたいな状態になってしまうんだ。
どうなるかというと…
- 粒(つぶ)が小さくなる:本来ならパンパンに育つはずのお米の粒が、小さくなってしまったり、ちゃんと実が入らなかったりするんだ。
- 白く濁る(にごる):お米の粒が、透明(とうめい)ではなくて、白く濁ってしまうことがあるんだ。これを「乳白米(にゅうはくまい)」と呼んだりするよ。食感や味に影響が出ることもあるんだ。
こんな風に、暑すぎたせいで、去年の秋に収穫されたお米の量が、予想よりも少なくなってしまったり、良い品質のお米が減ってしまったりしたんだ。
お米の量が少なくなると、どうなるか分かるかな? お店に並ぶ数が減るから、値段が上がってしまうんだ。これは、お店で人気のおもちゃやゲームが少なくなると、値段が高くなるのと同じようなことだね。
理由2:国のお米作りのルールが変わった?「減反」って何?
ちょっと難しい話になるけど、これはお米の問題を理解する上でとっても大切なことだよ。
昔から日本は、お米をたくさん作りすぎてしまうと、お米の値段がすごく安くなってしまって、お米を作っている農家さんたちが困ってしまう、ということがあったんだ。農家さんが困ってしまうと、誰も安全なお米を作ってくれなくなっちゃうかもしれないよね。
そこで、国(特に農林水産省という役所)は、農家さんたちに「お米を作る田んぼの面積をちょっと減らしてくださいね」とお願いしてきたんだ。これが「減反政策(げんたんせいさく)」と呼ばれるものだよ。
- 何をしていたの?:農家さんがお米以外の作物を作ったり、田んぼをお休みさせたりすると、国からお金(補助金:ほじょきん)がもらえる仕組みだったんだ。
- なぜ?:お米の量が多すぎると値段が下がってしまうから、ちょうどいい量になるように調整して、農家さんの収入を守ろうとしたんだ。
この減反政策は、何十年も続いてきたんだけど、最近になって少しずつルールが変わってきているんだ。 実は、減反政策によって、日本で作られるお米の量は、私たちが食べるのに必要なギリギリの量に調整されるようになっていたんだ。
だから、去年の猛暑みたいに、ちょっとでも予想外のことが起きてお米の収穫量が減ってしまうと、「あれ?お米が足りなくなっちゃう!」という事態になりやすくなっていたんだね。国は「お米は足りている」と言っていたけれど、実際にはかなりギリギリの状態だった、という意見もあるんだ。
理由3:みんなが「足りなくなるかも!」って思っちゃった?
ニュースやSNSで「お米が足りない!」「お米の値段が上がる!」という情報を見聞きすると、どう思うかな?
「今のうちに買っておかないと、なくなるかも!」「もっと値段が上がったら困るから、今のうちに買いだめしておこう!」
…って思っちゃうよね。
実際に、たくさんの人がスーパーでいつもより多めにお米を買った時期があったんだ。 これを「買いだめ」と言うんだけど、みんなが一斉(いっせい)に買いだめをすると、どうなると思う?
そう!スーパーの棚から、あっという間にお米がなくなってしまうんだ。 お店に「売り切れ」の表示が出ると、ますます「やっぱりお米がないんだ!」という不安が広がって、さらに買いだめが進む…という悪循環(あくじゅんかん)になってしまうんだ。
本来、日本にはまだお米の在庫があったんだけど、この「みんなが不安になって一度にたくさん買っちゃう」という行動も、一時的なお米不足を引き起こす大きな原因になったんだよ。これを「お米の先食い(さきぐい)」とも呼んだりするよ。
3. 備蓄米、なんで「問題」になってるの?
さあ、いよいよ本題の「備蓄米」の話に戻るよ。 本来は災害時に使うためのお米なのに、なぜ今、備蓄米が「問題」になっているんだろう?
3-1. せっかくの備蓄米がすぐに出せなかった?
前にも説明した通り、国は「いざという時」のために備蓄米をしまっているよね。 今回、去年の猛暑でお米の収穫量が減り、「このままだと本当にお米が足りなくなっちゃうかもしれない!」という状況になったんだ。
そこで国は、「よし、備蓄米をみんなのところに届けよう!」と考えたんだ。 でも、これがなかなかうまくいかなかったんだ。
- 出すのが遅れた?:本当に困っている人がいるのに、備蓄米を出すかどうかの判断(はんだん)に時間がかかってしまった、という声があるんだ。
- 倉庫からお店までが大変?:備蓄米は大きな倉庫に大量にしまってあるから、それをすぐに小分けにして、日本全国のスーパーに届けるのは、実はとっても大変なことなんだ。トラックの手配や、お米を小分けにする工場がフル稼働(かどう)しても、すぐにみんなの手元に届くわけじゃないんだ。
だから、「お米が足りない!」とみんなが困っているのに、備蓄米がすぐにはお店に並ばず、結局お米の値段が高いままだったり、手に入りにくかったりする状況が続いてしまったんだ。
3-2. これからお米は足りなくなるの?将来の不安
備蓄米は、一度使ってしまうと、その分がなくなってしまうよね。 災害用のお米を減らしてしまうと、もし次に大きな災害が来た時に、本当に困ってしまうかもしれない。
だから、国は放出した備蓄米を、また新しいお米を買い入れて元に戻す必要があるんだ。 でも、今お米の値段が上がっているから、また買い戻す時にもたくさんのお金がかかってしまうかもしれない。
それに、これから地球の温暖化が進んで、今年もまた暑い夏が来るかもしれないよね。 そうなると、来年も再来年もお米の収穫量が減ってしまう可能性だってある。
今ある備蓄米を使い切ってしまって、また新しい備蓄米を用意できないと、「将来、本当に食料が足りなくなるんじゃないか?」という不安も出てきてしまうんだ。これが、備蓄米が「問題」としてニュースになっている理由の一つなんだね。
4. じゃあ、私たちにできることは?今日からできる3つのこと
「なんだか、お米の問題って複雑(ふくざつ)で、大変なんだなぁ…」と思ったかな? でも、大丈夫!私たち一人ひとりにも、できることはたくさんあるんだ。 今日からすぐにできる3つのことを紹介するね。
4-1. 食べ残しをなくそう!「もったいない」を大切に
一番大切なのは、ご飯の食べ残しをなくすことだよ! 「えー、そんなことで?」と思うかもしれないけど、これは本当に大切なことなんだ。
毎日、少しずつでも食べ残しがあると、日本全体で見るとものすごくたくさんのお米がムダになっているんだ。 食べ残しをなくすことは、今あるお米を大切に使うことにつながるし、農家さんが一生懸命作ったお米への感謝にもなるよね。
「ご飯は残さず食べる!」これを意識するだけで、立派な貢献になるんだよ。
4-2. お米の状況に目を向けよう!ニュースをチェック
「なんだかお米のニュースが多いな」「スーパーのお米のコーナー、また見てみよう」 そんなふうに、お米の状況に関心を持つことも大切だよ。
国や農家さんがどんな取り組みをしているのか、スーパーにお米は十分にあるか、値段はどうなっているか…。 新聞やニュース、インターネットで情報をチェックしてみよう。 正しい情報を知ることで、必要以上に不安になったり、間違った情報に惑わされたりするのを防ぐことができるよ。
4-3. いろんな種類のお米を食べてみよう!
日本には、「コシヒカリ」以外にもたくさんの美味しいお米があるって知ってた? 「あきたこまち」「ひとめぼれ」「ななつぼし」「つや姫」…などなど、数えきれないくらいの品種があるんだ。
もし、今買っているお米が品切れだったり、値段が高かったりしたら、他の品種のお米を試してみるのもおすすめだよ。 「このお米も美味しいじゃん!」という新しい発見があるかもしれないし、特定の品種に人気が集中するのを防ぐことにもつながるんだ。
いろんなお米を食べて、自分のお気に入りを見つけるのも楽しいよ!
5. まとめ:お米は日本の大切な宝物!
今回の備蓄米の問題を通して、お米が私たちの食卓に届くまでに、どれだけたくさんの人たちの努力や、自然の恵みが必要なのか、少しはわかってもらえたかな?
お米は、ただの食べ物じゃないんだ。 日本の文化や歴史を支えてきた、とっても大切な宝物だよね。
私たちは、毎日ご飯を食べられることに感謝して、これからもお米を大切にしていこう。 そして、この問題を他人事(ひとごと)にせず、自分たちにできることを考えて行動していこうね!