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【飲食店】立地の選び方「重要性・ターゲット層見極め・調査方法」

飲食店を経営する上で大事なのは料理の味だけではありません。

看板のネーミング、メニュー表、どこから何を仕入れるのか、原価率、ロスを出さない工夫など、最近ではSNSで強い影響力をもつインフルエンサーマーケティングも有名ですね。

 

っで、今回注目するのは「立地」について。

 

私の周りでも飲食業を営む何人かの経営者の方がいらっしゃいますがほとんどが口をそろえて「飲食店は立地が大事」と言います。

 

はたして、それは本当なのか?そんな単純なものなのか?

 

ということで本記事では飲食店の立地の選び方について見ていきたいと思います。

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飲食店「立地」の重要性

繁華街にあるお洒落な飲食店

飲食店開業における立地の重要性はどれぐらいか?結論から言うと

 

「最も時間をかけていいほど重要な項目」です。

 

メニューの目玉を変更したり、宣伝のやり方を変えるのはいつでもできますが立地はおいそれと変更できるものではなく、採算とれるかどうか?をしっかり考えておかないと一瞬でお店が吹き飛びます。

 

っで知り合いの飲食関係者に良い立地ってどんなところ?と質問すると「家賃が安い場所」や「駅前で人通りが多く目につきやすい場所」と答えます。

 

確かに間違いではありませんが、正解でもありません。

 

「良い立地」とは「お店と相性がいい場所」なんです。そのエリアとお客さんの需要がマッチしているかどうかということ。

 

ここでは立地とお店の相性が悪い具体例を見ていきます。立地がどれほど重要なのかを確認してください。

相性が悪い具体例と改善策パート1
「立地が良いと思われる駅前飲食店の失敗」

駅前は人通りが多く一見良い立地のように思えます…っが、そこにはある落とし穴が。

 

何もしなくても人が集まるわけですから客単価を上げてガンガン行こう!という事業計画を作ったところ、これがだだすべり。

 

それもそのはず、駅前は大学の近隣で学生用マンションが並ぶ場所。当然駅を利用するほとんどが学生で「値段が高いお店」には入らないんです。

 

もし、そういった場所でお店をオープンするならお金がない学生をターゲットに低価格な居酒屋や定食系の方が相性良いと言えます。

 

つまりは人通りが多いから儲かるということはなく「その場所に集まる層」を見極め「その層に合った飲食店」をオープンすべき。ということです。

相性が悪い具体例と改善策パート2
「立地が悪いから安さで勝負した飲食店の失敗」

今度は人通の少ない立地での落とし穴です。

 

「立地が悪い分家賃も安い!だからうちは安さで呼び込もう」と立地の悪さを安さでカバーしようとしたころ、これもだだすべり。

 

それもそのはず、客単価を下げる=「回転率」を上げないといけないところを人がいないから回転しないという事態に。

 

ですから人通りの少ない立地では逆に客単価はあげるべきです。客単価をあげるにはお店全体(料理や雰囲気作り)のクオリティーをあげたり、複数人での来店が見込めるカフェ&レストランなどが相性良いと言えます。

 

どうしても安さで勝負したい場合は低家賃で浮いたお金を宣伝費用に回すなり工夫が必要です。

相性が悪い具体例まとめ

・立地が良いお店は「ターゲットを見極めた事業計画を立てましょう」

 

・立地が悪いお店は「低家賃だからこその工夫が必要(広告費にまわすなど)」

 

様々なパターンはありますが立地が良い悪いは関係なく基本的にはそのエリアの特性を見極め戦略を練る必要があります。

立地の選び方「立地に合わせて狙い(業態)を決める」

どうしても立地が決まらないという方は考えを反転させてみましょう。つまり

 

狙いに合わせて立地を決めるのではなく「立地に合わせて狙いを決める」
という方法もあります。

立地別/需要あるターゲット層・狙い所(業態)

立地に合わせた比較的に需要あるターゲット層・狙い所をあげていきます。

駅前

駅の中

ターゲット層 幅広い
狙い所 アルコール主体で狙う

 

駅前となると車は使いません。となると「アルコールが出やすい場所」と考えられます。

 

想定できるターゲットは幅広く駅によって変わってくるため、駅前出店を考えている場合は「どんな層が何のために駅を利用しているのか」の調査が必要です。

 

また駅前となると家賃も高くなるのでそういった点も考え慎重に判断してください。

ビジネス街

高層ビル

ターゲット層 サラリーマン/OL
狙い所 ランチ/仕事終わり層を狙う

 

ビジネス街はお昼時のランチ営業、仕事終わりならサラリーマン向けの業態がマッチしています。ですので日曜日が休みというお店が多い。

 

注意点はサラリーマン層を味方につけると成功しやすい反面「競合が多い」というのも考えておきたい。

 

ただお店をオープンさせたら繁盛するとは限らず、競合の中で埋もれないためにも「他の店とは違う差別化戦略」が必要になってきます。

 

また、ファミリー層がほとんどいないのでファミリー向けのお店はNGです。

 

差別化戦略についてはこちらの記事をご参考ください。

繁華街

繁華街のイラスト

ターゲット層 ファミリー/カップル
狙い所 休日のレジャー層を狙う

 

繁華街で人が集まるのは主に休日です。

 

駅前やビジネス街のようにアルコールをメインにした飲食店よりもレジャー要素を中心にしたファミリー、カップル向けの業態が比較的に集客しやすくなります。

 

また、駅前と同じように家賃が高くなるので慎重に選びたいところ。

商店街

商店街の中のお店

ターゲット層 地元民/中高年層
狙い所 地域一番を狙う

 

古い商店街となれば閉店したお店も多く、競合も少ない。そこへドドンっとオープンさせ初っ端から地域一番を狙いにいくという勢い戦略。

 

地元の方に需要ある飲食店は何か?中高年という年齢層も踏まえて現地で調査が必要です。

住宅街

住宅街

ターゲット層 幅広い
狙い所 低単価で狙う

 

住宅街は外食頻度が低いわけではありません。リーズナブルな値段設定が重要です。

 

「安くてボリューミー」という飲食店が強く、他にも割引を活用すると集客しやすくなります。

高級住宅街

高級感ある家

ターゲット層 主婦
狙い所 高単価で狙う

 

高単価なランチ、高単価なディナーが狙える場所です。

 

特に昼間は主婦層狙いの小洒落たお店は需要が高く成功率も高い。

百貨店

百貨店内の雰囲気

ターゲット層 百貨店によって様々
狙い所 差別化で狙う

 

百貨店がどういったターゲット層を集客してるかによって合せるしかありません。これは地域によって変動するため「百貨店の狙い」を探る必要があります。

 

また百貨店内の集客は他の競合店とは違う差別化が必要になってきます。

山や海沿い

自然豊かな場所にある山小屋

ターゲット層 幅広い
狙い所 穴場として狙う

 

穴場のような存在になることで上手くいく場合があります。最近ではSNSが充実してるので口コミでの来店が多くなるでしょう。

 

そして山や海はほとんどが「車での来店」になるため駐車場の確保、それに伴いアルコール類は出にくくなります。ですからアルコール類をメインとするより、料理メインで売り出す方が成果は出やすい。

 

また回転率はほぼ見込めないため客単価をどれだけ上げれるかが成り立つ鍵となる。

国道沿い

道路沿いの飲食店

ターゲット層 通行する車や人
狙い所 視認性で狙う

 

山や海沿い同様、車での来店がほとんどになるため駐車場の確保、且つ出入りのしやすさも重要になってきます。またアルコール類をメインとするのは当然NG。

 

国道沿いは目立つ看板を設置し「視認性」を高めるとより効果的に呼び込むことができます。

立地別/ターゲット層・狙い所~まとめ

立地 ターゲット層 狙い所
駅前 幅広い アルコール主体で狙う
ビジネス街 サラリーマン/OL ランチ/仕事終わり層を狙う
繁華街 ファミリー/カップル 休日のレジャー層を狙う
商店街 地元民/中高年層 地域一番を狙う
住宅街 幅広い 低単価で狙う
高級住宅街 主婦 高単価で狙う
百貨店 百貨店によって様々 差別化で狙う
山や海沿い 幅広い 穴場として狙う
国道沿い 通行する車や人 視認性で狙う

その立地で本当に大丈夫か!?調査する方法

これまでの立地の選び方は基本です。

 

ですがここで満足して何の調査もせずオープンさせてしまうケースが多く、これが本当に怖い。

 

ターゲットを決めて、立地も見込みある、店のコンセプトもバッチリ!しかし現地調査は数回周辺を散歩しただけ。

 

これでは正確な調査とは言えないでしょう。

 

立地とコンセプトを決めたら次は「正確な調査」が必要になってきます。ではどのように調査すればいいのか?という部分を見ていきましょう。

 

費用をかけてコンサルティング会社に調査を依頼するのもいいですが、やはりここは自分で足を運び、自分で決断したほうが納得できますし、自分で現地に行ってみないとわからないことは山ほどあります。

 

もし失敗しても次同じような機会があったときの勉強にもなります。

現地に足を運び徹底的に調査する

調査するスーツを着た男性

現地に足を運ぶのは当然ですが、徹底的に調査しましょうということ。

 

時代は進むもので数年前まではデータ通りでも、今は周辺の建物や行き交う人も変わってしまっている可能性があります。

現地調査で簡単に確かめられるもの
調査対象 詳細
建物 隣の店舗やビルの店舗など。
住宅 学生マンションや分譲かなど。
交通量 お店に入りやすいかなど。
通行人 人がいるのかいないのか。
年代 子供から中高年層までチェック
男女比率 男性が多いか女性が多いか。
競合店の有無 同じ業態ならチェック。
競合店との距離 自分のお店からどれだけ離れてるか。
周辺のお店 他業態のお店もチェック。

 

周辺の飲食店に入って確かめること
調査対象 詳細
どんなお店か? 何を売りにしてて、どんな雰囲気かなど。
男女比率 男性が多いか女性が多いか。
年代 子供から中高年層までチェック
値段 同じ業態なら立地候補地の相場をチェック

 

これらすべて時間帯や天候でも変動するため、あらゆるパターンを想定して地道な調査が必要になります。

 

例えば「晴れ」「昼時」の場合「サラリーマンが多い」など。

 

肝心なのは候補地で「ターゲットとする層」を確保できるかどうかと、それに合わせた事業計画がしっかり立てられる立地であるかどうかを判断することです。

 

机上のデータも大事ですが、現地のデータはそれ以上に大事です。

大手チェーンを参考にする

情報やデータを照らし合わせる手

大手チェーンが出店する場所には必ず「理由」があります。

 

時間帯を変えた通行量調査を行い、どんな人たちが住んでいるのか?、そのエリアで需要はあるのかどうかなど、徹底的に調べ上げ出店へ進みます。

 

ってことはですよ?その大手チェーン店が自分のお店と業態が似ている場合「そのエリアは価値ある立地」となりませんか?だってプロが調査し採算がとれると判断した場所なんですから。

 

というように、先行出店している大手チェーン店にノコノコついていく少しずる賢い方法もあります。

 

ただしタイミングよく同じ立地に出店できたとしても競合大手チェーンと闘うことになるのは覚悟しておかないといけない。

 

「どういう場所に出店するのか」という参考にするだけでも勉強になるのでチェックしておきたい項目の一つかと。

あえて人気店の近くにお店を出す

行列が出来ているラーメン屋のイラスト

ラーメン屋など行列ができやすい飲食店は「あえて人気店の近くにお店を出す」という方法もあります。

 

「人気店にお客さん奪われて終わりじゃないのか?」と思いますが、実はそれを逆手に取れるユニークな理由というのが「人気店の行列に諦めたお客さんを近くにある自店に流れさせる」という戦略。

 

お目当てのラーメン屋が行列で諦めた時、もうお口はラーメン。そこに違うラーメン屋があったとしたら、あなたならどうしますか?

 

行列でも諦めない人もいるかもしれませんが、必ず諦める人もいます。

 

その流れ弾をキャッチしよう!!という発想は汚いですが、お客さんからしたらせっかく足を運んできたのに…っと諦めた時の救世主になる立派な戦略の一つかと。

 

もちろんラーメン屋だけじゃなく「カレーや寿司屋、立ち飲み屋など、予約を必要としないお店」なら一つの手段として考えてもいいのではないでしょうか。

まとめ

飲食店における立地は適当にできない「重要度の高い」ものでした。

 

ポイントはA店では良い立地だったとしても、同じ場所に業態やターゲット層の違うB店が出店しても必ずしも良い立地とは言えないということです。

 

良い立地とは「お店とエリアの相性」ということで、必ず事前調査が必要になります。

 

もし誤った判断で立地を決めてしまっては後々大変な思いをすることになります。そうなる前に判断は慎重に行ったほうがいいでしょう。

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